【猫哲学77】2005/10/07


■猫神秘数

 猫は7である。だから神秘なのだ。

 いきなり何をゆーとるんだって思いますか? いやいや、今回は恐る
べき数字の魔術をお目にかけようというわけなのだ、お立ち会い。

 7というのは、神秘的な数とされている。一桁の数の中で、割り切れ
ない最大の数だからだ。古代バビロニアの数霊学においては…、なんて
衒学趣味に走るのはやめよう。7が特別な数字だってことは、誰だって
知っているでしょ。

 一週間は7日だし、虹は7色だ。秋の7草に弁慶の7つ道具。将棋の
7大タイトルを制した人は一人しかいない。羽生7冠かっこいいぞ、っ
てこれはあんまり関係ないか。

 7福神はめでたいし、音楽の音階だって7つだ。ドレミファソラシ。
7つの海を渡るのは船乗りのロマンだし、7味唐辛子はハウスだ、いや
S&Bかな。(何のこっちゃ)。

 まだまだあるぞ。オリンピックの7種競技は廃止になったが、黒沢明
は7人の侍だし、伊豆は7島だし、北斗は7星だ。 

 あまり一般的ではないけど、他にも七献、七事、七座、七宝、七情、
七難、七覚、七宗、七高山、京都七仏薬師、宍道湖七珍、七道、戦国物
の好きな人には賤ヶ岳七本槍なんてどうでしょ。ついでに、エジプトの
ピラミッドにはじまる古代七不思議なんてのもある。あまり詳しく説明
しませんので、興味のある方は百科事典でしらべてみてください。

 あ、考えてみれば、パチスロだって大当たりは777じゃないか。つ
まりこの世のめでたいもの、不思議なものは、すべて7が関係している
のである。後半のものは、むりやり揃えたっぽいけど。

 では、なぜ猫が7なのかというと、その鳴き声である。「なー」って
聞こえるでしょ。(こらバカ猫、なんでここで私の顔を見るのだ)。

 それはまあ冗談だけど、猫という名には、神秘数が含まれているので
ある。さあ、ここからが世紀の大発見、猫哲学オリジナル、猫の神秘数
を分析していこう。

 西洋には古くから数霊学というのがあって、A=1、B=2、C=3
という風にアルファベットに数字を当てはめていって、最後のZを26
として、名前を数字に置き換えるようにされている。

 数霊学なかでの最も有名なものはヘブライ神秘学の「カバラ」という
もので、これは古代バビロニアの天文学から影響を受けたとされている
が、…あ、また衒学趣味に走りつつあるな。やめとこ。

 さて、猫である。

 猫は日本語であるから、数霊学も日本語化されねばならない。あいう
えお、かきくけこの48文字に、あ=1、い=2、う=3と数字を割り
当てていって、最後の、ん=48という風にする。そうすると

 ね=24、こ=10

 24+10=34

 数霊学においては二桁の数は足し合わせて一桁にする。そこで

 3+4=7

 ほら、猫は7なのだ。笑ってはいけませんよ。私がこの程度の子供だ
ましで猫哲学を書くわけがないでしょうが。これは始まりにすぎないの
だ。

 猫は子供言葉ではにゃん(あるいはにゃんこ)である。

 に=22、や=36 ん=48

 22+36+48=106

 そして、1+0+6=7

 だんだん不気味になってきたかにゃ。それでは次に、英語でいってみ
ようか。猫は英語でCATだけど、英語は日本語のように単数複数に関
していいかげんではないから、ちゃんと表記するときには

 A CAT または CATS となる。

 A=1、C=3、A=1、T=20 だから

 1+3+1+20=25 

 で、2+5=7

 CATSでも同じことだぞ。

 C=3、A=1、T=20、S=19

 3+1+20+19=43

 そして 4+3=7

 うははは。ちょっとびっくりしたでしょ。つまり猫というのは、これ
ほどまでに不思議に満ちた存在なのだ。うちのバカ猫を見ているかぎり
では、とてもそんな風には思えないのだけどね。

 さてさて、どこまで本気で書いているのかというと、もちろん99%
冗談である。私は数霊学なんかを本気で信じるほど、オカルトなおたく
ではない。あんなのは、女性週刊誌の星占いみたいなもんだ。

 ただ、この世のどこかには、あんなものを信じて、というか、おもち
ゃにして遊んでいるバカヤローどもがけっこうたくさんいるらしいぜ、
という話をしておきたいのだよね。

 どこにそんなバカヤローがいるんだ、ときっと不可解に思われること
だろうが、次の事実を読んでひっくりかえって驚かない人は、かなり鈍
感な人だよ。

 2004年3月11日のスペイン列車爆破テロ事件は、2001年9
月11日のニューヨークWTCビルアタック事件の、きっかり911日
後に起きた。

 本当だよ。計算してごらんなさいな。

 不思議な偶然だなー、なんて思っているようでは甘すぎる。偶然では
ない。わざとである。これは計画されたものだということだ。では、次
のはどうかな。

 今年2005年7月7日、ロンドン地下鉄の爆弾テロ事件。この日付
には2+5=7として7が3回も出てくる。

 これだけなら偶然の可能性もちょこっとはあるけど、ロンドン地下鉄
爆破テロはその直後にもう一度引き起こされた。その日付というのは

 2005年7月21日。 21=7×3。

 どこかで数字遊びをして笑っているやつの顔が目に浮かばない? そ
の悪人顔の何人かのうち確実に二人は、ジョージ・ブッシュとトニー・
ブレアだ。

 なんだか世の実★の世界とダブってきたので方向を変えてみよう。

 西洋人だけでなく、日本人の中にもこういう数字遊びの好きなバカが
いるようである。私が発見した最も極端な事例をご紹介しよう。

 太平洋戦争の第一撃となった真珠湾攻撃。卑怯な宣戦布告前の攻撃と
なって「卑劣なジャップ」の汚名を永遠に歴史に刻むことになった、し
かも戦略的にはほとんど無意味な作戦であった。時に昭和16年12月
7日、(艦隊は日付変更線を越えているので、日本では8日)

 16+12+7=35(7の倍数)

 空母赤城、加賀、飛竜、蒼竜、翔鶴、瑞鶴を飛び立った第1次攻撃隊
182機(=7の倍数)は、オアフ島のパールハーバーに達した午前7
時49分(=7×7)、全軍突撃せよの電信ト連送「ト・ト・ト・ト」
(いろはにほへと、の7番目)を発信、壮烈な攻撃が開始されたのであ
りました、とさ。ほんまに露骨やなあ。

 ちなみに、6隻の空母に載せて行った戦闘機、攻撃機等の総数は35
0機(7の倍数)である。やれやれ。

 そういえば海軍司令長官山本五十六の名前って、7の倍数やないか。
すべてはこのおっちゃんの趣味なのかな。(この話は、本が一冊書けて
しまうくらいにおもしろいのだけど、ここではやめておきますね。ちな
みに私は『山本五十六検死記録』なる本を持っている。つまりその死に
疑いをもっているのだ。ほへ)

 7のこともいいけど、ついでに9の話もしてみよう。

 9というのも神秘数だけど、これはどちらかというと不吉なニュアン
スがある。一桁目の最後ということにひっかけて、世界の終わりみたい
に解釈されることが多い。

 だから、ノストラダムスが騒ぎを起こしてくれた1999年には、私
は本当に心配でヒヤヒヤしていた。べつに予言を信じたわけではない。
そうではなくて、終末のムードを利用して、例の数字遊びの好きな連中
が、何かけしからん事件を起こすのではないかと危惧していたのだ。

 けっきょく、連中は1999年にはまだ準備ができていなかったらし
くて、2000年9月11日にそれを実行したのだけどね。

 1999年にはそれほどでもなかったけど、そのちょうど1000年
前の999年には、キリスト教徒たちはマジでおびえていたらしいよ。
この世の終わりが来るってね。

 まだキリスト教が強い権威を持っていた時代だったし、終末思想とい
うのはキリスト教の基本教義だもんね。坊さんたちもこれを利用して、
恐怖をあおったりしたらしい。

 999年12月末になると、みんなびくびくおろおろして、仕事も日
常生活も放り出して祈ってばかりいたんだってさ。

 金持ちは財産をみんな寄付してしまうし、悪人は罪をぜんぶ懺悔しよ
うとするし、仲が悪かった人たちはいきなり仲良くなって抱き合って泣
くし、そうかと思うと一日中酒を飲み続ける人なんかもいたり、子供は
泣くわ豚は走るわ鶏は飛ぶわ、それはもうえらい騒ぎだったそうじゃ。

 で、ついに999年12月31日がやってきた。人々は何もかも投げ
捨てて教会に集まり、その時を待ち続けた。誰も何も話そうとしない。
ときどき女性のすすり泣く声が聞こえるだけ。

 そして、11時59分。全員が恐怖に顔をひきつらせる。ああ、つ、
ついに0時だ。

 …1分経過。何も起きない。いや、時計が狂っているのかも。5分、
10分、何も起きない。とうとう1時間、やっぱり何も起きない。人々
の顔はだんだん間抜けな感じに変わっていった。

 そしてついに夜明けの光がさす頃になると、人々は黙って俯いて家に
とぼとぼと帰って行きましたとさ。

 教訓。

 数字なんてね、ただの人間の決め事です。世界はそんなもんで変わっ
たりしませんのさ。

 でもねえ、デジタル時計の文字盤が0000になる瞬間を目にすると
妙にうれしくなってしまう私は、やっぱりただのアホなのだろうか。そ
うなんだろうな。あえて否定はしません。

 今回は猫哲学77回を記念して、7特集でございました。おそまつ。

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「数字は大切よ」

 ここまで話を聞いていたいつもの超美女が、いきなり怖い顔になって
言った。

「あなた去年、私の誕生日を忘れたでしょ」

「ぎく…。い、いいじゃないかべつに。いつも誕生日になったら、男ど
ものプレゼントが山になっているだろうが。オレひとりくらい…」

「その考えが甘いのよ」

「きみは全世界の男、ひとり残らずにホレられたいのかよ!」

「女にもよ!」

 …ダメだ、こりゃ。
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